羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 34

新年あけましておめでとうございます。
羽根直樹です。

充実した囲碁の時間を過ごしていただき、健康で豊かな一年になりますように願っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回の解説は、例会での対局(先コミなし)です。

<1>

白1に黒2は好手です。

白aと愚形で進出してもらって黒b、という進行を目指します。

白1では、cのコスミで進出しておくくらいだったかもしれません。

<2>

白aの方向に連絡するのも有力ですが、相手の狙いを察知して白△との連絡を目指したくなる気持ちはわかります。

ただ、2線で連絡をする時にはダメヅマリに注意が必要です。

白1からbのトビもしくは白3が、連絡する時の打ち方となります。

<3>

白△には、黒1から5という弱点がありました。

黒7が先手となりますので、黒9から11で攻め合いは黒が有利です。

実戦は白が気付いて守る進行となり、互角の進行です。

<4>

白1が正しく、黒2には白7まで「万年コウ」と呼ばれる形です。

どちらかと言えば生きに近いので、部分的には白が満足できる進行です。

実戦のトビは、生きているかが心配な形となりました。

<5>

黒は切断された状況ですので、右下の補強を考える場面です。

実戦は黒aと眼を確保しに行きましたが、黒1が有力でした。

白2と連絡すると思いますが、黒3と白△を取り込むことが出来ます。

生き方が一つしかない詰碁の問題とは違いますので、少しでも得な生き方を探しましょう。

<6>

実戦の黒1は、とても良い判断でした。

つい黒aと受けてしまいそうな流れでしたが、地が減るだけであれば受けないというのは見事な考え方です。

黒1は、「黒地を増やす」「白地を減らす」「白を狙う」という3つの目的がありますので、とても大きな一手となります。

<7>

上辺の失敗で右上の白も生きてしまい、白の勝ちとなりました。

断点がありますので補強を第一に考えて、黒1から3なら長期戦でした。

右上の白には黒aと眼を取る手が残っており、右辺の白には黒bなどで攻める楽しみが残っています。

お互いに不安定な石への意識は持てていますが、もっと気にしても良いくらいです。

黒は「攻め」や「狙う」を増やし、白は「守り」の意識を増やしましょう。

読みがあと少し正確になれば、さらに安定した内容になると思います。

以上

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アドバイス34棋譜詳細解説