羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 26

こんにちは。羽根直樹です。

日本棋院は、2024年7月に創立100周年を迎えます。

囲碁を楽しみながら、日本棋院を支えていただいている皆様に感謝いたします。

本年も、そしてこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。

今回の解説は、例会での指導碁(4子局)です。

<1>

黒1のカケが良い打ち方となります。黒5まで進んだ時に、黒1が良い場所となります。
実戦は黒1がaにある形ですが、小さく白△を取るのは堅過ぎる感じです。
黒1に白3の反撃が心配な場合は、黒bの一間トビでも問題ありません。
その場合は、白2に対して黒3と白4の交換を保留しましょう。

<2>

実戦は、隅が立派な白地となったのに対して、黒の厚みが不十分な形です。
黒△の時は、黒1のあとを黒3ツギで打つことにしましょう。こうすることで、白aのキリには黒bで取ることが出来ます。白4から6と進みますので、ここまでを基本形として覚えてください。
このあとは、黒cなどで攻めを狙う展開となります。
黒1と3は手順を入れ替えても同じ形になりますので、どちらでも構いません。

<3>

白△に石が来ましたので、心配な方は黒aと補強をしてからの打ち込み狙いでも構いません。
実戦の打ち込みは、積極的な打ち方です。
ただし、打ち込む場合は攻めを意識したいので、黒1もしくは3の場所が有力でした。
白が連絡しようと2・4と打っても、黒bやcで分断することが出来ます。

<4>

黒の形はダメヅマリになりつつありますので、黒1が急所でした。
白2から6には、黒7が良い対応で心配ありません。
不安定な石の多い競り合いの途中ですので、「石の強弱に関係のない黒△の2子は、取られても構わない石」ということになります。

<5>

白△と補強しましたので、ここが手抜きのタイミングです。
黒1と右下の白に迫ったのは良い判断でした。
他には黒aもあります。

<6>

黒1から13まで、黒にとって理想的な展開でした。
黒△と迫っていかなければ下辺は白地になる流れでしたが、しっかりと白の弱点を攻めることで、黒模様になりそうな状況となりました。

<7>

実戦は黒aと囲いましたが、黒1やbと補強するのが急場でした。
右下だけではなく、右上も不安定な状況となっていますので、補強を第一に考える場面でした。

<8>

白1はヨセの二線ではなく黒を狙っている一手ですが、すぐに白aも有力です。
白bも狙いたい手ですが、黒cという反撃があるので今のところ自重している状況でした。
このあとは右下と右上黒への攻めが決まり、白の勝ちとなりましたが、中盤で補強をせずに中央を囲った分だけ薄い形になっています。

 

本局は下辺の打ち方が見事で、「むしろ黒が得したのでは」という進行になりました。
ただ序盤での失点が大きく響き、無理をしなくてはいけない感じになっていました。

鋭い反撃や、狙いを持った打ち方が出来ていますので、左上の形や上辺の打ち込み方など、部分的な形を修正しておきましょう。

以上

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