羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー3

こんにちは。羽根直樹です。
翔の会の皆様には、低迷していた時期にも温かく見守って頂いておりましたが、久しぶりにチャンスが巡ってきました。
許家元碁聖との挑戦手合、皆様への恩返しが目標です。
今回は、翔の会例会での対局(定先)からです。

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黒1から5までが定石です。
白を低位にすることが出来ました。
白4で左辺ハサミなどの反撃は、黒bが狙いとなります。白石がaなどにある場合は、白の反撃があるかもしれませんので、黒3で5と打ったりすることもあります。

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お互いに見事な布石ですね。
大場と急場のバランスが、とてもうまく取れています。

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お手本のような布石でしたが、上辺から競り合いが始まりました。
黒が中央に進出しようという局面ですが、黒1から7が良い形です。
黒△がうまく働いて、とても効率の良い形となります。
例外はもちろんありますが、「アキ三角という愚形は可能な限り避けたい」という気持ちでいる方が、上達しやすいと思います。

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実戦のツギ(黒59)は強気な一手です。
黒△が不安なので、黒1・3と連絡を目指すのが自然な考え方です。

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黒はうまく脱出してきましたが、ここは悩ましかったですね。
実戦のアキ三角もツライ形なのですが、黒1・3は白4が残ってしまいます。
黒1を考えてさえいれば、それで良いかと思います。
黒aのキリも有力ですので、高段者の方は候補に入れて欲しい一手です。

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白1が好手でした。
いかにも急所という形ですね。
黒は2という対応の方が少し良かったですが、どちらにしても形を崩されました。

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白1はとても大きな手ですが、白aは消極的すぎました。
白3から7などと、相手に迫っていきたかったですね。

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白の仕掛けが失敗に終わった場面ですが、棋譜はここまでとなり、形勢は互角です。
前半は白、後半は黒が気持ちよく打てていました。
黒は「アキ三角」への意識をもう少し持つと、石の効率が良くなりますが、石の向かう方向が見事でした。
白は△の手など、少し消極的な手が出てしまうことがありますが、石の効率への考え方がとても良かったですね。
少し内容が上品過ぎた気もしますが、お互いにしっかりと打てた好局です。

下記のファイルで閲覧できます。
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ugfファイル

 

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棋譜再生・編集ソフト Kiin Editor
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