羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 46

こんにちは、羽根直樹です。

王座戦(一力王座)の挑戦者が、福岡航太朗本因坊に決まりました。

一力さんは同時に3つの挑戦手合を戦うことになり、名人戦は芝野棋聖、天元戦は井山碁聖との対戦です。

棋風の違う3人との防衛戦は、どのような内容・結末になるのでしょうか。

今回の解説は、例会での指導碁(4子局)です。

<1>

白1に対して、黒aと仕掛けました。
チャンスがあれば下辺を手抜きして、白の広いヒラキを狙っていく、という力強い発想です。
左下に関しては、黒2と受けておくのも有力な一手でした。
白1はbの逃げ出しを狙っていますので、防ぎながら黒cを狙う打ち方です。

<2>

白1のカタツキを見た瞬間に、まずは白aの逃げ出しを狙っていると感じ取りましょう。
白aと逃げ出されるのは避けたい状況ですので、実戦の黒a抜きが一番良い対応となります。
黒bなどと遠くで守る考え方も出てきましたが、白cから侵入する手が残るので、この局面では得をしません。

<3>

左辺の白がまだ不安定ですので、黒1から3はとても自然な攻め方です。
「中央への進出を止め、黒石が多い左下に追い込む」という考え方になります。
黒1でaとすぐに取るのは堅すぎるので、攻めに向かったのは良い感じです。
左辺を攻める場合、「白aも残っており左下の黒は少し不安」という方は、黒1でbも有力です。
上辺の黒△は強い石ですので、「そちらに白の逃げ道を残すことで厚みの近くへ向かってもらう」という発想です。

<4>

黒1と1つだけ出てから黒7と戻った実戦は、ダメを詰めてしまって変調でした。
黒1と出た以上は、黒3から9のノゾキを狙いたかったですね。
白10の時に、黒aと仕掛けるか、黒bなどと補強するかを選択できます。

<5>

黒aからの仕掛けがダメヅマリのように見えて心配な場合は、単に黒1も立派な一手です。
黒aと白bの交換が無ければ、黒は大場に向かうことも可能です。
下辺の白は強い石になっていますので、黒3を先手で決めておいて黒5というテクニックもあります。

白cに黒dと受ける予定の打ち方ですが、下辺の白が弱い石の場合は使いませんのでお気をつけください。

<6>

黒1・3に対して、白はaとツグわけにはいきません。
白4と反発をして、難しいことになりました。
もし安全に打ち進めたい場合は、黒3でbという打ち方も冷静です。
ただ黒1から連絡を目指した手は、黒cを優先したい状況でした。
「上辺の白を凝り形に導きたい」「それほど不安のない右上と右下の黒は、急いで連絡する必要はない」という考え方になります。

<7>

コウは白が解消することになりました。
コウダテで左下を打ちましたが、実戦くらいの得では不満だったですね。
黒1・3・5などをコウダテにして、コウ争いを続けるのも有力でした。
コウが終わった後に黒aへ向かったのは、急場でもあり最大の一手です。

<8>

黒1は右辺を補強する好点です。
黒のリードは少なくなってきていますが、この後のヨセを上手く打ち進めて黒の勝ちとなりました。
序盤から中盤にかけて、とても良い流れで打てていた一局です。
中央付近で読みの必要な競り合いになったところで、押し引きがちぐはぐになってしまいましたね。
攻める立場の場合、「相手をつらい形にする」「先手で大場に先行する」ということが大切になります。
今回は少し弱気になる場面もありましたが、力強い発想で打てていますので、今後もどんどん戦っていきましょう。

以上

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アドバイス46 譜詳細解説