羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 27

こんにちは、羽根直樹です。

翔の会例会は、5月18日(土)、8月3日(土)に行います。(11月は未定)

泰正会との交流戦は、名古屋にて10月6日(日)に予定していますので、よろしくお願いいたします。

今回の解説は、例会での対局(定先)です。

<1>

スベリを決めてある状況ですので、白1は鋭い狙いです。
対して黒2から6と素直に対応するのは、白7で困ります。
黒2で3と切った実戦は、良い判断でした。
ただ白1で3から仕掛けてくる可能性もありますので、黒△はaの方が安全でした。

<2>

実戦は黒aと守りましたが、黒1としっかり守っておくのが良かったですね。
白2が好点ですが、黒3から5と左上黒の補強に専念できます。
黒aには白のダメを詰めるというプラスがありますが、自分のダメも詰まるので再度補強を考える必要があります。
補強を考える場所が二つにならないように打ち進めると、方針が立てやすくなります。

<3>

白1から3と進行した時に黒aを選択しましたが、ダメヅマリになりますので黒4が良い形です。
白5には黒6と進出することが出来ますので、中央を形良く打つ余裕がありました。
白1から黒4までが良い形として、セットで覚えてしまいましょう。

<4>

黒△に対し、実戦の白1から3が良い対応でした。
白1と1回反発することで、黒△を捨てにくくすることが出来ました。
黒はaに先行したいのですが、左辺の補強もしたいという状況です。
白1は、2という反発の仕方も有力です。

<5>

黒1に対して、白2を先手で決めてから白6までの攻め方が、とても良い感じです。
白2で強くなった石の方向へ、白4・6と追い込んでいくイメージです。
黒が窮屈な感じになってきましたので、黒1ではaの進出がすっきりしていました。

<6>

黒1から5では、白6と脱出されてうまくいきません。
実戦のツケだけが包囲網を突破することの出来る手でした。
競り合いになったときの考え方や筋の良さは見事です。

<7>

(5の左に白石があります)
黒1から7と下辺を補強してから、黒9と中央の補強に向かいました。
捨てることのできない石をしっかりと補強できています。
今回は、黒△を助ける余裕はありませんでした。
不安定な石が多い競り合いでは、「大切な石と捨てても良い石」の見極めが重要です。

<8>

白1は右下を制しながらaの切りを狙う好手でした。
この後は、黒bの守りに対して白cと補強しながら攻める、という展開が想定出来ます。
難解な局面ですが、最後は黒が競り勝ちました。
中央に白が先行してから始まった競り合いですので、白有利という状況が続いていますが、黒の反撃も筋に来ています。

黒には部分的な狙いにこだわりを感じますが、碁盤全体を見ることで「こだわり過ぎ」が減ればさらに良くなりますね。

白にはここまで疑問手というほどの手は無く、とてもバランスの良い流れるような打ち回しが見事でした。

以上

→詳細解説版(約2倍の解説量)のダウンロードはこちら
アドバイス27棋譜詳細解説