羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 32
- 2024.10.19
- 羽根直樹先生のアドバイスコーナー
こんにちは。羽根直樹です。
10月に翔の会と泰正会の交流戦を、名古屋にて行いました。
対局や検討、解説会に懇親会と、あっという間の一日でした。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今回の解説は、例会での指導碁(6子局)です。
<1>
実戦の黒aは、少し打ち過ぎでした。
白1は次にbと打とうとしていますので、黒2のケイマで防ぎながら攻めを狙うのが良い考え方です。
黒2の後は、お互いにaの地点を気にしながら打ち進めることになります。
<2>
黒1ツケも有力な手で、白△への攻めというよりは黒を手厚くするのが目的となります。
2つの不安定な黒が連絡した後の、厚みの活用方法まで気にしておきたい場面です。
白8までと生きた時に、黒9やaの打ち込みを意識してこそ、黒1が良い手となります。
<3>
上辺をすぐに狙わないのであれば、黒1も有力です。
白2から6には、黒7まで受けて問題ありません。
白8と進出するのは黒9・11の「もたれ攻め」が待っていますので、白は窮屈に生きるぐらいとなります。
<4>
黒aを手抜きする場合は、下辺を気にしたい局面です。
黒1の打ち込みが厳しく、黒5まで△との連絡を目指します。
黒5でbや、黒3でシチョウ有利を確認しての4ワリコミなどもあります。
<5>
黒1から3と脱出しました。
通常ですと黒1を抜かれる損が大きいのですが、△の交換がある特殊な状況ということで有力な作戦でした。
白は隅で簡単に生きることが出来なくなっています。
<6>
黒1と左下白への攻めを継続していれば、白は困っていました。
白2に黒3から7となった形は、黒の有利な攻め合いです。
攻め合いは「何となく怖い」という気持ちも分かりますが、白にとっては投了も覚悟した瞬間でした。
<7>
黒1から13まで、見事な進行でした。
最大の黒1を打ち(13目程の手)、黒7の反発から13まで黒地をまとめました。
差が縮まらないどころか、少し広がった感じです。
<8>
現時点で黒が20目程リードしており、本局は大差で黒勝ちとなりました。
「手拍子やうっかり」という大きなミスが一番怖いのですが、全く見当たらずとても良い内容でした。
これだけの安定感があれば、6子も置く必要はありません。
相手が補強をした時が手抜きのタイミングですので、「自分の石も少し心配だけどまだ大丈夫」と手抜きする場面を増やして、さらに効率の良い打ち方を目指していきましょう。
以上
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