羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー 39

こんにちは、羽根直樹です。

中部総本部所属の志田達哉八段が、天元戦の挑戦者決定戦で芝野虎丸十段を破り、挑戦権を獲得しました。

SGW杯中庸戦で優勝したあとも好調を維持し、ますます充実してきた感じです。

一力遼天元との挑戦手合は、10月4日(土)に静岡県浜松市で開幕です。
解説会などの関連イベントもありますので、「幽玄の間」や「YouTube」などの中継とあわせてお楽しみください。

今回の解説は、例会での会員同士の対局(先)です。

<1>

黒3から11までの打ち方は、黒△が無い時の定石です。
黒△がある場合、白6から「サカレ形」となってしまいます。
白12のハネがぴったりの好点となり、白の満足な形です。

<2>

実戦の白1は良い手抜きですね。
黒2・白3も気分の出た選択で、右下の白を「厚み」ではなく「不安定な石」という感覚で見ていますね。
黒△を助けた直後ですので、納得出来る考え方です。

<3>

1に対して、実戦は黒2と捨ててしまいました。
この判断が正解です。
黒aと助けることも可能ですが、「白△と準備している」「白bの切りが残っている」という現状では無理となります。
単に白1切りでも黒2となりそうですので、白は△と準備する必要もなかった感じです。

<4>

白1のツケはつい打ちたくなる手ですが、厚みの活用方法をイメージしておく必要があります。
白1は黒△への攻めではなく、生きてもらって厚みを活用しようという意図の手です。
ただ黒8まで生きられてしまうと、黒に不安定な石は無く、厚みを「攻め」に活用出来る状況ではありません。
互先(先)ではそのような状況が多く、ほとんどの場合で実戦のサガリもしくは白aやbなどと受けることになります。

<5>

黒△で左下が一段落した後、白1を決めてから白3・5と補強しました。
白5はaと補強するのも有力です。
左下の黒が強くなりましたので、右下の白を気にする局面ですね。
ただ白1が先手とは限りませんので、黒2で右下を仕掛けるチャンスだったかもしれません。
筋の良い黒b、形は気にしない黒c、どちらで切断するのもありそうです。

<6>

黒1には白2が弱点となります。
白2から6の侵入に対し、黒7と攻めました。
白3子をどのように脱出するのか、難解な局面です。

<7>

白は中央と右下が連絡しましたが、まだ眼が確実とは言えません。
黒1と右辺に仕掛けたのも鋭い狙いです。
黒3に対して白4を省くと、黒aで切断されてしまいます。
黒5のあと、白の死活はどうなっているのでしょうか。

<8>

白の中押し勝ちとなりました。
何か錯覚があったと思いますが、黒1が正しい対応です。
黒1から5と進んだ場合、白6などを決めて白16までが考えられます。
上辺に白の眼が出来無いとすれば、黒aのコウが残ってのヨセ勝負ですね。
本局は序盤に疑問手がありましたが、石の強弱はしっかり確認して打てています。
「石を捨てる」という判断も多く見られ、中盤以降の流れがお互いに見事でした。

以上

詳細解説版動画:

→詳細解説版(約2倍の解説量)のダウンロードはこちら
アドバイス39棋譜詳細解説