羽根 直樹 先生のアドバイス コーナー2

こんにちは。

羽根直樹です。

三女(彩夏16歳)が2019年4月からプロ棋士としてデビューします。

ここからがスタートとなりますが、親子三代、見守って頂けたら幸いです。

よろしくお願い致します。

今回は、翔の会例会での一局(定先)です。

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黒の切りはとても良い手です。

急所でしたね。

白は1から3と、「自分は連絡しながら、相手を切断」という形を目指すのが良かったです。

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白のヒラキまで、平和な進行になりました。

黒としては、「少し良さそうかな」という感じではありますが、もっと欲張る手がありました。

黒Aと打った手では、単に黒1が良い考え方です。

黒1で打っておけば先手ですので、黒3など自由に選択することが出来ます。

白は、「2と連絡がしたいな」と思っている場面ですから、黒からそこに打たせてあげるのはマイナスです。

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白1と切りたい形です。

白7までの進行が予想されます。

白△が「サカレ形」になって傷まない為にも、この切りは迷わず打てるようになると良いですね。

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黒57は、とても良いトビです。

右辺白への攻め、右下黒の守り、白模様への牽制、という三つを兼ねています。

絶好点といえる一手ですね。

 

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参考図

白1と手抜きをしたかったですね。 下辺は大丈夫そうです。

白△と、かなり積極的な(打ち過ぎとも言える)手を選択した以上、弱気になってはいけません。

 

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良い手抜きです。分断されている左上の白も心配ではありますが。黒としては、△の手で手抜きをするべきでしたね。右下の利益は大きく、黒がリードはしていますが、油断は出来なくなってきました。

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黒1とは取りに行けないですね。 白4が先手になり、6,8が手筋です。

黒はしっかりと読んで回避しました。

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白は切断され、断点も残り、厳しい状況になってしまいました。

「守り」の場面では丁寧な読みが必要となります。

「白△を捨てる」という白1に気付けば、何事もなかったですね。

形勢は、この図で良い勝負という感じですが、白Aの先手からBの狙いには注意が必要です。

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棋譜はここまでですが、決め手となる切りとなりました。

黒は上辺での攻めに失敗しましたが、自然な着手が多く安定感がありました。

白は積極的な楽しい碁ですので、「攻め」と「守り」の状況判断が出来ると良いですね。

断点が多く、「守るべき中央での戦い」と、白△と戦いを仕掛けた下辺での「必要のない守り」いう判断ミスによって、大きく形勢が動いた一局でした。

 

ugfデータでは下記にて閲覧可能です。

Sさん-Nさん20190216翔の会HP用解説.ugf